登山時に脱水症状にならないための水分補給

登山をする上で水分補給は一回ちゃんと調べて書いておきたいな、と思っていました。ちょっとぽっかり時間空いたのでこの機会に調べてみました。あくまで素人が手の届く範囲の情報をまとめたものです。

脱水症状

体重の2%~3%の水分が失われると脱水症状となり、運動能力や認知機能が落ち始める。5%以上になると生命維持に問題が起こりはじめます。

脱水症状の3パターン

  • 高張性脱水:水分不足からなり、口渇、発熱が起こる。
  • 低張性脱水:電解質不足からなり、倦怠感、嘔吐、眠気、手足の冷えが起こる。
  • 等張性脱水:水分、電解質不足。水分を取り低張性に移行する。

高張性脱水は急激に汗をかいた時になりやすい。
低張性脱水は、急激に汗をかき電解質が失われている状態で水分のみを補給するとなりやすい。
等張性は下痢や嘔吐で体液を一気に失った場合に多い。

電解質(でんかいしつ)とは、体液(細胞内液や血漿)に溶けて伝導性を持つミネラルイオンのことである。 体内の水分量やpHのバラスを保ち、神経伝達および筋肉の運動にも深く関わっている。 血液検査および尿検査にて測定することができる。
電解質 | 看護用語辞典 ナースpedia – 看護roo!

水だけを飲んで長い時間行動していると低張性脱水になりやすいようです。個人的にも心あたりがあります。
スポーツドリンクやタブレット、キャンディーを使って補給したほうが良いですね。

水分と吸収

そこそこ重い水なので、運んだ分は無駄なく吸収したいですね。

水分は胃から小腸に運ばれ吸収されるが、糖質濃度が高いと小腸への排出が遅れる。
また小腸での吸収には浸透圧が関係し、体液より浸透圧が低いほど吸収速度が早い。

人の体液の浸透圧は285mOsm/L(8%)。
ポカリスウェットやその他のスポーツドリンクもほぼ同じ浸透圧で、アイソトニック飲料とも言われる。そして水やお茶の浸透圧が0~50mOsm/L 。

となると水の方が効率的に水分が取れるのかというと、そういう訳でもないようで。
急速に水分が取り入れられると体液の濃度が下がってしまうので、体はバランスをとるために水分を排出しようとしてしまいます。このため摂取した水分の半分程度しか回復しません。
これを自発的脱水と言い、これを防ぐためにはスポーツドリンクがおすすめです。

スポーツドリンクにも大きく分けて2つあり、1つは上でも出てきたアイソトニック飲料。
これはアイソトニック飲料に含まれる成分(糖質等)が吸収され、浸透圧が下がったところで水分が吸収されるようになっています。

そしてもう1つハイポトニック飲料と言うのがある。これはスポーツ時に人間の体液の浸透圧2~3%に下がるので、最初からそれに合わせた濃度に調整された飲料です。
ポカリスウェットのイオンウォーター、明示ヴァームウォーター、アサヒのH2Oなんかがこれに当たります。
また、たまに聞く「スポーツドリンクは薄めて飲んだ方が良い」というのはこの辺りが根拠となっているようです。

運動前に飲むならアイソトニック。運動中、運動直後にはハイポトニックが吸収されやすいです。

給水方法

登山前に水分補給をちゃんとしておく。起床~登山口につくまでにちょこちょこと飲んでおく。僕の場合は500mlは飲むようにしています。
行動時の水分補給はなるべくこまめに。1度に量を飲むと自発的脱水を起こしやすいです。
15分に一度、100~150ml程度飲む。ハイドレーションパックを使うと便利だが、セッティングが面倒だったりするので嫌な人は嫌でしょう。
なるべくザックのサイドポケットよりもショルダーストラップに付けたり、取りやすくしまいやすい場所に置くのがおすすめです。そしてちょっと足を休めたい時、いい景色を見つけた時に1口2口飲む、というのを習慣にしましょう。

水分量

よく言われるのが2Lの水を持っていけという話。
行動時間当りの脱水量は 行動時間×体重×5ml=脱水量(ml) とされていて、2Lの水は体重50kgで8時間、70kgで6時間位の脱水量になります。

8時間程度が理想的な1日の行動時間の上限だと考えれば、2Lというのはあながち的はずれな量ではないようです。
また脱水症状が現れるのが体重の2%の水分を失った時だとすると、体重50kgで1000ml、70kgで1400mlの余裕があるとも言えます。もちろんこれは運ぶ水分の計算には使うべきではないですが。

 

というわけで、色々理屈っぽいことを書いてきました。

  • 一気飲みではなく、こまめな水分補給
  • 水だけでなく、電解質(塩分含む)の補給も忘れずに

ということだけ覚えておけば、割と大丈夫な気もします。
水分だけでなく、シャリバテなどのカロリー補給もまとめて考えるべきなんですが、そこまでやる気力もなく…。
参考になれば幸いです。

 

登山と鼻水

この前の奥秩父縦走をした時、終始鼻水が垂れてきて大変だった。これは毎回ではないけどちょくちょくあることで、そういう時に備えてサコッシュにはいつもポケットティッシュを備えている。鼻が垂れてくる不快感というのはひどく煩わしいもので、なかなか慣れるものでもない。運動中に鼻にティッシュを詰めるわけにもいかないし…。

そもそも原因はなんなのか、というのを考えてみた。真っ先に思い浮かぶのはアレルギー。元々花粉症持ちなので今回何に反応したのかはわからないけど、これが一番わかり易い答えではある。ただ花粉症だったらもう少し目に来るかなと思う。

僕は元々鼻が弱く、風邪を引いても大体最初に鼻から来る。登山の前の週に久しぶりにきつめの風邪を引いて、案の定鼻をかみまくったので粘膜もダメージを受けていて、なんかその辺あーだーこーだあってというのもあるのかな?

しかし試しに「登山 鼻水」で検索してみると、以外に同じ症状で困ってる人がいるようだ。もう少しちゃんと調べてみると、急激な気温、体温の変化から来る「寒暖差アレルギー」という言葉を見つけた。これはいわゆる俗称なようで、正式には血管運動性鼻炎と言うそうだ。

血管運動性鼻炎(けっかんうんどうせいびえん)
アレルギー反応の関与が証明できず、病気の原因がはっきりしないものの、鼻粘膜の自律神経の異常によって、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった、アレルギー性鼻炎と同じ症状を示す病気です。

血管運動性鼻炎の原因
はっきりした原因は不明です。しかし、外気の急激な温度変化(暖かい部屋から出て、外の冷たい空気に触れるなど)、たばこの煙や化粧品の吸入、飲酒、精神的ストレス、妊娠(にんしん)などが刺激となり、鼻の自律神経のはたらきが異常になっておこると考えられています。

血管運動性鼻炎の治療
アレルギー反応でおこっているものではないので、症状を抑える対症療法が主体になります。抗ヒスタミン薬、副腎皮質ホルモン薬、自律神経薬などを使用します。

Kotobank.jp 鼻過敏症(アレルギー性鼻炎/血管運動性鼻炎)

登山にかぎらず運動時に鼻水垂れて悩んでる人は、これが原因かもしれないですね。僕自身は医学的知識がある人間ではないので、ちゃんと医者にかかることをおすすめしますが。

そう言えば冬の登山ではあまり鼻に悩まされなかったのは、花粉シーズン前から抗ヒスタミン剤を飲んでたせいかもしれないな。今度はサコッシュに薬も入れておこう。